１　過払い金とは？

　　「過払い金」とは、クレジット・サラ金業者に払いすぎたお金のこといいます。法律上、払う必要がないお金を支払ったわけですので、業者に対して「払いすぎたお金を返してほしい」と請求することができます。

　　取引の内容にもよりますが、業者との取引が５年〜７年くらいある場合は過払いが発生している可能性が高いといわれています（直近にまとまった額の借金をした場合、少額の返済や借入れを頻繁にしていた場合などは当てはまりません）。

　　また、借金を完済していれば、確実に過払い金が発生しています。

２　過払い金の返還請求

　　金銭の貸し借りにおける利息については、利息制限法という法律が、

　　・　元本１０万円未満の場合は、年２０％

　　・　元本が１０万円以上１００万円未満の場合、年１８％

　　・　元本が１００万円以上の場合は、年１５％

　　を上限の利率（法定利率）としており、この上限を超えた利息（超過利息）の支払いは、「無効」と定めています。

　　業者の多くは、法定利率を超えた金利（グレーゾーン金利→３で解説しています）で貸付を行っていましたが、以上のように超過利息の支払いは、「無効」ですので、超過して支払った利息は、順に借り入れた元本に充てられ、残っている元本を減らすことができます。その結果として、元本を完全に返し終わって借入れがなくなった後に支払ったお金については、不当利得（法律上の原因なく他人の財産から利益を受けること）となり、その金銭の返還を請求することができます。

３　グレーゾーン金利

　　「グレーゾーン金利」とは、２の利息制限法の上限利率と出資法（「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」）に定められた最高上限利率年２９．２％の範囲内の金利のことをいいます。

　　出資法は、約定利率（金銭の貸し借りの契約で定められた利率）が最高上限利率年２９．２％を超えた場合にのみ、刑事罰を科しているだけで、利息制限法には刑事罰が定められていないために、業者の多くは、この「グレーゾーン金利」の範囲内（２９．２％かこれに近い金利）で貸付けを行っていました（平成２２年６月１８日の出資法改正で、最高上限利率は２９．２％から２０％に引き下げられました）。

４　過払い金の請求はお早めに

　　業者に対する過払い金の請求はいつまでもできるわけではなく、完済した日から１０年で時効消滅してしまいます。

　　また、業者に対し全国規模で膨大な件数の過払い金の返還請求がなされており、業者の経営はかなり厳しくなっています。

　　過払い金が時効消滅する前に、

　　業者が破綻する前に、

　　お早めにご相談ください。